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写真部の人間

どう違うの? プリンターの「顔料インク」と「染料インク」の違い

パソコン Tips/How to

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デジタル一眼レフ・ミラーレスで撮影した写真も, お気に入りの写真やコンテストに応募する写真であればプリントする必要があります. プリントするには, 僕はキタムラのプリントサービスを使う事が多い(特に四切や半切などは)のですが, 友達にプレゼントするような写真(たいてい2L)の場合は部室にあるプリンター(PX-G930)を使ってプリントします.

さて, 家庭用の殆どのプリンターはインクを使って印刷するのですが, プリンターが使うインクには「顔料インク」と「染料インク」の2種類があり, 使うインクの種類によってプリンターも「顔料タイプ」と「染料タイプ」の2種類に別れます(Canonの普及機は両方のインクを使うハイブリッドタイプですが, 写真印刷に限っては染料タイプにあてはまります).

顔料インクと染料インク, 一般的に高級なプロ用モデルには顔料インクを使う機種が多いのですが, この違いとは何なのでしょうか.

顔料は「絵の具」, 染料は「ペンのインク」

顔料インクと染料インクとでは, 当然ながらインクの成分が異なります.

顔料インクの場合, インクの正体は「色のついた微粒子(小さな粒)」で, この小さな微粒子をプリント用紙の上に吹きつけて印刷していき, 結果, 用紙の上に色のついた微粒子が乗っかっているような感じになります.

一方, 染料インクの場合, インクの正体は「色がついた化学薬品」で(そのまんまですね), 液自体に色がついています. この液をプリント用紙に吹き付けて印刷していくと, 色のついた液体が用紙に染みていくような感じになります.

色はどちらが綺麗か

顔料インクの場合, 先の項でも書いたように, インクを用紙に染み込ませるのではなく, 用紙の上に載せるようなイメージです. そのため, 例えば光沢紙に印刷したとしても(光沢加工の上にインクを吹き付けるわけですから)期待通りの光沢感を得られず, マットな感じになってしまいがちです.

また, 染料インクに比べて発色は控えめですが, その分階調性に優れています(=グラデーションがなめらか). また, 染料インクと違って印刷時にインクが用紙上で滲むことがないので, くっきりとした表現が可能で, 例えば人物の髪の毛などもボケずに再現することができます.

中間的な色の表現が苦手と言われてきましたが, 最近の機種では顔料インクもインクの色数を増やすことで(高級機だと12色も使う機種があります)階調性を高めており, 特に黒白写真の場合は顔料インクに一日の長があると言えそうで, 染料インクだとグラデーション部分に色かぶりを起こしたりします.

一方, 染料インクは顔料インクと異なり光沢紙との相性がよく, 顔料インクよりも鮮やかで光沢のある表現が可能とされています. しかし, (用紙との相性もありますが)写真でも木の枝部分などではすこしデティールが損なわれるような気がします.

染料インクは異なる色(シアンとマゼンダなど)を混ぜることで中間的な色を表現することに長けているとされています.

画質以外では

両者の違いは画質以外の部分にも及びます.

例えば染料インクの場合, 化学薬品を用紙に染めているわけですからその部分が水などで濡れてしまうとインクが溶けてしまい, 滲んでしまいます(よく年賀状の宛名印刷でそれを見かけます, あと印刷したものをラミネートしただけの簡単な看板でも印刷が雨水で滲んでいるものがありますね).

また, 化学薬品ということで, 印刷してすぐの状態ではインクの状態が安定しておらず, 印刷結果が不安定(=色がおかしく見える)な事があります. インクが落ち着くまでには最低でも24時間は必要で, 印刷結果を確認しながらパソコンでレタッチ, という使い方には困難が生じるという欠点もあります.

一方, 顔料インクは微粒子が用紙の上にとどまっている状態で, これは水に溶けにくいので, 水に濡れたとしても溶けて, 滲んでしまうことがありません. また, 化学薬品である染料インクと違って, 顔料インクはオゾンガスや太陽光線(紫外線)によって化学変化が生じるリスクも少なく, 長期間展示する場合でも安心ですね. もっとも, 染料インクでも最近はしっかりと対策が取られておりますが.

顔料インクの場合はインクの化学変化というのが少なく, 印刷してすぐの状態でも色が安定しています. そのため, 印刷結果を確認しながら微妙な色味を考慮しながらプリントすることが可能です.

しかし, 顔料インクは微粒子なので, 長期間印刷しない状態でプリンターを放置しておくとノズルづまりを起こしてしまう可能性が高くなります.

さいごに

僕の場合は家のプリンターが染料タイプ, 学校の部室にあるプリンターが顔料タイプです(他に, 自宅には昇華型の小さいのもあります). 画像データとしてPCで見たり, LINEでプレゼントしたりするのもいいですが, お気に入りの作品はプリンターでプリントしてみてはいかがでしょうか. 尤も, 大抵の場合家庭用プリンターよりもキタムラのプリントサービスのほうが楽で, 綺麗に仕上がり, 費用も少なめだと思いますが.


2015/09/19 一部の表現や構成を修正. 記事URLを変更