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写真部の人間 Neue

写真部の人間

Photoshop不要!! Lightroomだけで打ち上げ花火の写真をリカバリ&より美しく

先日僕の住んでいる街で花火大会があり,僕も花火の撮影をしてきました。花火自体はとても美しかったのですが,当日は風の向きが悪く,スターマイン(花火が次々と連発されるヤツのことね)が始まったりすれば,あたりは霧のようになってしまい,結果ビミョーな写真が多くなってしまったのも事実です。

花火の煙が風に流されずにずっとそこにとどまったままになると,空が曇ってしまい,本来は真っ黒になるはずの空の部分が明るくなってしまいイマイチ迫力にかけてしまいます。しかし,そんな写真でもLightroomひとつあればそこそこキマった写真にすることができます。

今回撮影した写真

f:id:inoshikacho:20170122150655j:plain

まず,上の写真が今回僕が撮影した写真です。そのままLightroomに取り込んだ状態ですが,煙がかかっていて画面全体が明るくなっています。

ちなみに,撮影はEOS60D+EF-S 18-55mm(ND4フィルター装着)で行い,

ISO100 | f11 | 27s

の露出でした,ホワイトバランスは太陽光です。

1 プロファイルを変更する

花火の写真だけでなく,LightroomPhotoshopを使ってガッツリ編集するときは,Canonなら「Camera Faithful」,Nikonなら「Camera Neutral」などの,できるだけ味付けの少ないプロファイルにしてください。味付けの濃いLandscapeなどのプロファイルでは色が飽和してしまったり,編集が難しくなったりします。

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2 ホワイトバランスを調整する 花火を撮影する際のホワイトバランスは「太陽光」や「昼光」にする,というのが鉄則です。しかし,それだと真っ暗な空の部分もオレンジ色に色づいてしまい,綺麗ではありません。そこで,とりあえず今回は「タングステン-白熱灯」の設定にします。こうすることで空の部分がオレンジ色にかぶるのを防ぎ,空をスッキリとした色にします。

f:id:inoshikacho:20170122150709p:plain

当然,花火の色も青白くなります。「青白い花火の色よりも橙色の花火の色の方が好きだなぁ」という方も心配なさらずに,この後花火の部分だけホワイトバランスを調整します。

3 トーンカーブを使って煙を目立たなくする

さてここで,今回のメーンとなる,「空の煙を目立たなくする」作業に入ります。

画面全体にかかった煙のせいでコントラストが下がってしまっているので,通常なら「コントラスト」を調整するのですが,コントラストを調整すると白飛びや黒つぶれがどうしても増えてしまいますし,また,画面下の風景部分まで階調が変化してしまうのはあまり好ましくありません。そこで,今回は「トーンカーブ」を使って修正します。

トーンカーブと聞くと,「一度は触ってみたけれど,どういう仕組なのかわからないから結局使ってない」「結局は露光量とかハイライト,シャドウとかを使う」という方が多いと思います。かくいう僕も頻繁に使うことはありません。ただ,Lightroomのハイライト/シャドウ機能よりもより詳細に調節ができる上,今回はそれほど難しい作業ではないのでこの機会にトーンカーブに触れてみましょう。

トーンカーブの仕組みについては今回は割愛しますが,今回は本来は真っ黒なはずの夜空の部分がグレーになってしまったので,それを直したいわけです。逆に言うと,グレーになっている部分をもっと暗くすればいいわけです。ということで,トーンカーブを以下のように設定します。左下の点で下に凸なカーブを作り,中央の点でそれを持ち上げるようなイメージです。

f:id:inoshikacho:20170122150721p:plain

コツとしては,あまり極端にカーブを曲げず,「たったこれだけでいいの?」程度に抑えることです。そもそも,空の色も完全な黒になってしまっては困るので,そこはヒストグラム(画面右上)のシャドウ警告機能をうまく使ってみましょう。

また,複数の写真に適用する時のことを考えて,このトーンカーブを保存しておくと便利です(ポイントカーブのところから保存できます)。

4 花火の部分だけホワイトバランスを調整する

Lightroomの中でも特に便利なのがこの部分的にホワイトバランスを変更する機能で,今回は「円フィルター」を使ってみることにします。Lightroomのバージョンが5.x未満の方や,あるいは花火の形に応じて「補正ブラシ」を使ってもいいと思います。

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今回は,「花火の部分だけホワイトバランスをアンバーよりにする」ので,色温度を適当な正の値に設定します(70-80程度がおすすめ)。また,円フィルターの内側部分に効果を適用させるため,「マスクを反転」にチェックを入れます。

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あとは,円フィルターを花火の部分に適用します。必要におおじて形を調整します。

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花火全体をマスクしてもよいですが,全体の中心部分80%程度がかぶっていればいいと思います。この後,好みに応じて色温度を調整します。

5 露出の調整

最後に全体的な明るさを考えながら露出を調整します。僕の場合は+1.33程度増感しました。また,打ち上げ花火はどこに・どのくらいの大きさで打ち上がるのかを予想しづらいため,撮影時に構図を完璧に設定することはほとんど不可能です。なので,必要に応じてトリミングします。

lr07

もし地上が写っている写真なら,花火の大きさを伝えるためにも出来る限り地上部分も残しておきます。空部分しか残っていない場合,花火がはみ出るぐらいまで大きくトリミングしてしまったほうがインパクトがあっていいと思います。

6 完成

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完成です。

このように,トーンカーブを使うことで煙によって空が明るくなる現象を補正し,また,円フィルターツールで部分的に色温度を補正することで,より記憶に近い花火を表現することが出来ました。

ここまで凝った編集をこんなに簡単にこなせるのはLightroomだけでしょう。Lightroom万歳です。そんなLightroomもVer. 6が出ていますが僕のはまだ5のまま…