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Lightroomなら超簡単! 15秒でできる「ブリーチバイパス」

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「ブリーチバイパス」とか「銀残し」という言葉を聞いたことがありますか。これは写真というよりもどちらかといえば映画界の用語のようですが,

銀残し(ぎんのこし)は、フィルムや印画紙での現像手法の一つ。本来の銀を取り除く処理をあえて省く事によって、フィルムや印画紙に銀を残すものである。一般的に映画の現像で行われるもののことを言うが、写真のカラープリントでも同様の作業が可能である。英語ではブリーチバイパス(bleach bypass)と云う。Wikipedia

つまり,写真に限って言えば,「写真用フイルムを現像するときに特殊な工程で行うことで,独特な雰囲気の写真になる」というものです。具体的には

  • 全体的に彩度が低くなる
  • コントラストが高くなる
  • シャドー部(暗部)がより一層暗くなる

という発色の特徴があります。

もうお気づきの方も多いと思いますが,トップの写真が(デジタル現像で)ブリーチバイパス効果を加えてみたものです。どうでしょうか,「SLの車内の暗くて湿った雰囲気」が伝わってきませんか。

SLの写真に限らず,ブリーチバイパスというのはいろいろな写真,特にスナップ写真において威力を発揮すると思います。「明るい街並み」を表現するのには不向きですが,路地裏の暗くてひっそりとした雰囲気をうまく伝えられるはずです。

先ほども書きましたがブリーチバイパスというのはもともとはフイルム現像の際の技術です。フイルム現像で実際にブリーチバイパスをするのは難しいのです。そもそも一般的なお店に「このフイルムをブリーチバイパスで現像してください」といってもやってくれません。ブリーチバイパスをするにはプロラボと呼ばれる専門店にお願いしないといけません。当然料金設定も高めです。

しかし,デジタルのRAW画像などであれば,簡単にブリーチバイパスができてしまいますLightroomやDPPなどの現像ソフトさえあれば他に必要なものはありません。

今回はLightroomを使ってブリーチバイパスを行う方法をご紹介します。

画像を用意

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実を言うと,この画像はデジタル一眼レフではなくコンデジで撮った,JPEGのデータです。撮影したのも今から2,3年前だったと思います。

当然ですが,RAW画像のほうが編集の際に生じる劣化も少ないので,RAW画像を用意されることをお勧めします。ただ,この画像の場合はJPEGでしたがそこまで劣化はしていませんでした。

「明瞭度」を調整

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おそらくLightroomのみの独自の機能,「明瞭度」を調節します。明瞭度は主にディティールを強調する機能ですが,Lightroom以外の現像ソフトを使っている方は「コントラスト」「ディティール」などの項目が同等の役割を果たすと思いますので,それで置き換えてください。

高めに,「+33」ぐらいに調整します。こうすることでブリーチバイパス独特のコントラストの高さを表現できます。

「自然な彩度」を調整

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次に,彩度を落としていきます。「自然な彩度」としましたが。別に「彩度」のほうでも問題ないと思います(「自然な彩度」のほうでは,青系の色がより優先的に変化します)。

およそ「-50」ぐらいでちょうどいいと思います。もっと色が薄いほうが好ましい場合はもっと下げてもいいと思います。

「黒レベル」を調整

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シャドー部に「コク」を与えます。影の部分が黒潰れしてしまうかもしれませんが,この際は特に問題ではありません。影の部分が十分暗くなるぐらい,今回は「-60」に設定しました。

現像ソフトによってはトーンカーブで調節することになると思います。

色温度を調節

今回はこのままで十分表現できたと感じたのでいじりませんでしたが,例えば冷たい雰囲気を出したいときはホワイトバランスをブルーよりに設定します。やりすぎと思えるぐらいまで調節してもいいと思います。

完成

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できました。結構いい感じです。ただ,もうちょっと影の部分を暗くできたらうれしかったかな。

ブリーチバイパスは,実は日本発祥の表現技法です。日本の「わび・さび」をうまく表現できる技法です。皆さんもぜひ挑戦してみてください。