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写真部の人間 Neue

写真部の人間

ボカせばいいわけじゃない!? たまには絞って撮ってみよう

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一眼レフにできてコンデジスマホにできないことの一つに“背景をぼかした写真”というのがあります。

コンデジスマホは構造上背景をぼかしたような写真を撮ることができないのです。一方で一眼レフやミラーレスなどの場合は,特に解放F値の小さいレンズを使えば,いとも簡単に背景をぼかした写真を撮ることができます。

特に,最近のエントリーモデル一眼レフ(EOS Kissなど)には,絞りや被写界深度に関する十分な知識を持っていなくても簡単に背景をぼかした(=絞りを開いて,被写界深度を浅くした)写真を撮ることができるようになっています。

たしかに,背景がボケた写真というのはなかなかきれいなものです。花の写真やポートレートなんかは大概背景がボケた写真です。でも何でもかんでも背景をぼかせばいいと思っていませんか。

実はそうじゃありません。撮るものによっては背景をぼかさずに,手前から奥までピントが合っている(=パンフォーカスっていいます)写真のほうが好まれることだってあります。

例えば,上の写真を見てください。夕方,駅のホームをとらえた写真です。この写真自体はそう大してうまい写真ではないのですが,この写真では背景をぼかしたりせずに手前の点字ブロックから奥のビルの窓まで,写っているものすべてにピントが合っています

もちろん,例えば「がまごおり」と書かれた看板にピントを合わせてそれ以外は全部ボケさせることだってやれるはずです。

しかし,“そこには人はだれもおらず,あったのはただ孤独感だけだった”というような雰囲気を伝えたい場合はどうでしょうか。"人はだれもいない"ということを表現したいなら,駅のプラットホーム全体に注目してもらう必要があります。

看板だけにピントを合わせた写真だと,写真を見る人はみんな看板にだけ注目してしまいます。一方で全体にピントを合わせた写真であれば,写真を見る人は駅のプラットホーム全体に注目してくれるはずです。

また,ピントを全体的にクッキリと合わせているので駅の鉄骨の硬さ・冷たさ,プラットホームにできる影のギラギラとした影を表現することができました。

つまり,

  • ある一点(花,人,小物)に注目してもらいたいときは,それ以外をぼかす
  • 写真に写っている範囲全体(おもに風景)に注目してもらいたいときは,全体にピントを合わせる

というふうにするといいと思います。

全体にピントを合わせた写真を撮るには,絞り優先オート(A;Av)に設定し,絞りをF8からF16ぐらいにセットします。暗いシーンではシャッタースピードが間に合わない場合もあるので,ISO感度は400から800ぐらいにするといいでしょう。ピントを合わせるときは,通常通り「一番注目してほしいところ」にピントを合わせるのがいいでしょう。

この写真を撮ったのは冬に入る直前ぐらいでした。手袋がないと手が冷たいな,と感じ始める季節です。